時代のなかで変化を遂げる作品たち

文字を読み書きすることができない人びとが多数を占めていた時代、宗教などの信仰心を布教するための道具として絵画や彫刻などの美術作品は社会のなかで大きな役割を果たしていたようです。

中世ヨーロッパの時代に残された絵画の多くもキリスト教の布教のために描かれたものがみつかるようですが、現実的にはその当時、キリスト教は絵画などで具体的に「神」の存在を表現することを禁止していたとされているようです。

キリスト教がそのような規制を設けることで偶像崇拝を禁止していたことは、キリスト教の真髄における問題とされ、キリスト教以外の「神」の存在を認めることができない宗教上の姿勢を表すものであったようです。

キリスト教が偶像信仰を禁止していた半面、当時文字を読み書きすることができない人びとに布教をすることが困難であったことから、文字を読めない人びとに布教活動をするにあたっては、信仰を広めるための絵画が必要であると考えられていたようです。