余裕を持った暮らし

日本人の多くのサラリーマンが、日々の残業は当たり前などと考えている時代ですが、ヨーロッパのビジネスマン達は、決められた就業時間内での退社時間になると、皆真っ先に勤め先から帰路へとつく姿などが見受けられるそうです。

日本人のサラリーマンが退社時間を過ぎても尚、遅くまで残業をこなし、帰宅途中に駅界隈の居酒屋などで仕事の愚痴などをこぼしながら、お酒を交わす姿とは程遠いヨーロッパの人たちのライフワークですが、これは一体どのような価値観のもとにあるのでしょうか。

彼らのライフワークの糧となっているものをヨーロッパにいる友人に訪ねてみると「ホリデー」というような答えが返ってきました。決められた時間をきっちり働くのは、家族との「ホリデー」を楽しむためだと言うのです。退社後に自宅に帰宅してからはいったい何をしているのかと尋ねてみると、友人曰く、自宅のメンテナンスをしているというような回答がありました。

住む家のメンテナンスを自宅での時間を楽しみながら施すことは、自分たちの所有する資産でもある住宅の資産価値を高めることにもつながると言うのです。現地のイギリス人の家庭などを訪問してみると、壁には家族写真や絵画などがセンス良く飾られ、インテリアからも個人的な趣向がよく伝わってくるようなデザインやコーディネートがされていることが多いです。

自宅やインテリアはヨーロッパの人にとって、とても大切にされるべき価値あるものとして考えるという暮らしがあるようです。ヨーロッパの人の多くは友人や親類を週末などの時間を利用して招き、自宅でおもてなしパーティーなどを繰り広げることが多く、自宅はプライベート空間ではなく、宴会場や会食の場などとしての人々とシェアする空間であるといった考えがあるようです。


「壁」と暮らしのはざまで

ヨーロッパの生活シーンでは額縁に入った写真や絵画を見かけることが多いですが、和室の中では襖絵や屏風絵などがインテリアの絵画として象徴的にも強調される印象があります。

床の間などの限られた空間に掛け軸などが装飾されているイメージが日本家屋のなかでは強いですが、「壁」という存在は、日本家屋の中での室内インテリアとしてのどのような役割を担っているのでしょうか。

皆さんはご自宅の室内インテリアの在り方として絵画や写真などのアートを楽しむための「壁」の存在を、どのように捉えていらっしゃいますでしょうか?最近の現代的な建築様式や日本家屋に「床の間」が、なかなかみつけられない傾向にあります。

人々に必要とされている「壁」の存在について現代的なライフスタイルのなかで考えてみたいと思います。洋画や海外のドラマなどを鑑賞していると、主人公がその家族や恋人と壁塗りをしているシーンを数多くみつけることはありませんか。

壁を個人的に塗り替えるというような習慣は日本人のライフスタイルのなかではあまり見受けられませんが、海外ではファッションのイメチェンを図るように、自宅の壁の色味を変える人々の姿がみられます。このような海外のエンターテイメントからの影響もあるのか、最近の日本人の若者たちのなかには、個人的にDIYとして自室の壁の色味を塗り替える人々の姿もあるようなのです。