建築物や芸術品は文化である

11世紀頃に発展した教会建築「ロマネスク」は、その呼び名どのものが「ローマ風」などといったような意味合いをもたせたものであり、古代ローマ建築を彷彿とさせるような重厚な教会建築が好んで作られるようになったそうです。古代ローマ美術は、古代ギリシア文明をベースに作られたと多くの専門家たちが語るように、今尚、現代に伝承される多くの西洋美術作品は古代ギリシア文明からはじまったと考えられているようです。また教会の内装として訪れる者たちを圧倒するような壁画や彫刻、ステンドグラスなどの数々は、教会芸術として知られておりますが、その多くが当時文字を読むことができない人びとに信仰を広めるためのものであったと言われております。言葉を理解することのできない国の教会を訪れるたび言語を語る以前に、教会を目の前にすると神聖な空気を肌で感じ取ることができるのは、そのような配慮が建築や装飾品にもなされていることを表しているのかもしれません。