ルネサンスの活動と美術

西洋の美術史を遡るなかでルネサンス期が非常にクローズアップされている書物が多いのは、ヨーロッパにおける近代文化の基礎が築かれたのがルネサンスであったからのようです。ルネサンスは古代ローマがほろんだ後、ヨーロッパが迎える暗黒時代を越えてやってくる文化でもあります。暗黒時代を経験した人びとは、暗黒時代とは対照的に光の時代とされる古代ローマや古代ギリシアの学問や芸術を取り入れながら新しい時代を切り拓く人びとの原動力としたのかもしれません。イタリアで栄えたルネサンスは、文化や芸術の革新的な人びとの活動であったとされていますが、今日の私たちの暮らしにどのような影響を与えているのでしょう。近世に行ったルネサンスの意味を考えるにあたり、人びとの暮らしと美術のあり方を考えてみたいと思います。