マザッチョとレオナルド

懐疑主義に徹底したレオナルド・ダヴィンチは絵画作品を創作する際に、自然界には輪郭が存在しないことを提唱し、そのような考えを作品づくりにスフマート法として活用したようです。スフマート法は、水で溶いた顔料を指の先で塗り重ねていくぼかしの技法などとも言われております。

彼の代表作として知られている「モナ・リザ」は、このぼかしの技法が巧みに使用された作品であります。また遠近法を研究していたレオナルドは同じく彼の代表作とされる「最後の晩餐」は、遠近法の研究結果の成果が発揮されている作品として高く評価されおります。

天才画家と称されたレオナルドが画家としての基礎を学ぶためにデッサンしたなどと言われている壁画は、ルネサンス期初期に登場するフィレンツェ生れの画家マザッチョの作品であります。マザッチョの作品には、人体把握、空間性、感情表現の要素が組み込まれているとされています。